消化力をあげる簡単に出来る方法として、食前のスライス塩ショウガをご紹介いたしましたら、詳しい作り方を知りたいという声がありましたので、ご紹介いたします。
作り方は、ズボラな私でもできます。
①ショウガを薄くスライスする
②スライスしたショウガに塩(理想は岩塩)をほんの少しまぶす
以上。
本当は食べるその都度用意するのが望ましいらしいけれど、作り置きもOKということなので、私はショウガひとかけをスライスして塩を少々まぶしあえて、小さい容器に入れ冷蔵庫で保管し、食前に一枚いただいてから、ご飯をいたたくようにしています。一週間以内にすぐなくなります。
ショウガが漢方でも生薬であることはよく知られているところです。辛味のある食物には消化を促進する働きがありますが、カラダの熱を必要以上にあげて害がでてしまうこともあります。けれど、ショウガは、辛味で消化を促進するにも関わらず胸やけや排泄時の灼熱感などの問題をあまりおこさないと言われています。
アーユルヴェーダでは、この消化力をとても重要視しています。全ての病の源は、消化力の乱れからはじまり、胃腸の状態が免疫力、カラダの調子を左右するとしています。古代インド人は「お腹の中に消化の神様が住んでいて、消化の火を燃やしている」と考えたそうです。一見おとぎ話のように聞こえますが、消化の本質をよく捉えていて、火は木を燃やして熱や灰煙を作り出すように「変換する力」をもっています。同じように消化も、カラダの組成の違う食べ物をカラダの組織や栄養に「変換する」働きをします。糖、タンパク質、脂肪を消化酵素の力でカラダに吸収しやすいものに変換する…つまりこの変換作業こそが消化の本質。
この消化酵素をよく働かせる方法は、火を扱う方法と似ています。消化酵素は、体温より低い温度ではうまく働かないし、冷たいものをカラダに入れすぎると、火も消えて消化力も落ちててしまいます。また、かまどに薪をぎっしり詰め込んでも火はうまく燃えないように、食べ過ぎても消化力はうまく働かないのです。
食事の前にショウガを少しいただくことは、食欲を刺激する、つまり消化の火を強くしかきたてることで、食べたものをよく燃やし消化吸収、代謝をスムーズにさせてくれるのです。消化の火を大きくしてから食事をとると考えたらよいでしょうか。
「お腹の中に消化の神様がいて、その神様に捧げものをするように食事をするといいですよ」とアーユルヴェーダの先生に教わりました。そんな風に考えると、古いものや残り物を差し上げるのも失礼ですから、新鮮なもの、質のよいものをよく噛んでゆっくり食べる…普通に言われている事とつながります。火の神様を敬っているようで、実は自分の消化力を守ることにつながっているのです。私には耳の痛いお話でした。
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