ヨガとは‥
元々ヨガという言葉は、サンスクリット語で「ユジュ」(くびき、つなぐ、結ぶ)から来たと言われています。くびきとは、何頭かの馬と馬車をつなぐ栓のようなもので、馬は言う事をきかない「カラダ」です。荷馬車に乗っている御者は「心」。つまり、言う事を聞かない「カラダ」と「心」を結びつけるのがユジュ、つまりヨガ。ヨガとは、カラダと心のバランスをつなぐ方法なのです。
ヨガはエクササイズ?
『ヨガ』と言うと、小難しいポーズをしている姿が取り上げられているために「難しいポーズが出来なきゃいけない」「柔らかい人がすること」「心肺能力の高い人がするもの」はたまた「カラダを動かすエクササイズ」を思っておられる方が多いと思います。
先にも挙げたように実はきちんとした定義があって「ヨガとは、心の揺れを穏やかにすることである」(『ヨガ・スートラ』第1章第2節)。
つまり、なかなか言う事を聞いてくれないカラダと心を結びつけ、穏やかな自分にすることを指しています。
日常の些細な事でイライラしたり落込んだり、その挙句周りに当たってしまったり、外に出せない人は食べる事やショッピング、お酒で一時的に紛らわしたり。
そして出来てしまったのが、今の自分。
ロボットではない人間だから少々の揺れは当たり前。少し冷静になってみれば分かる事も忙しい日常生活の中ではそれすらも気が付かなくなりがちです。本当はカラダの方から「もう休みたい」「つらすぎる」「痛いんですけど…」とメッセージを発している声にも気が付けない自分になっている事が多いのではないでしょうか。
実は全部私の事ですが、ヨガでゆっくり呼吸と共に動かすことで、カラダも心も落ち着いてきて徐々にカラダの声が聴こえるようになります。
カラダの声が聴こえたら、少し早めに休んで養生する‥そうすれば長くは引きずらないようになれます。
忙しくてそんな時間ない! そんな方こそ少しでも自分と対話するヨガの時間を持たれることをお勧めします。
混乱した頭ではなかなかいいパフォーマンスも生まれないことは脳科学の世界でも証明されてきています。
呼吸に合わせてゆっくり動かすことで、自分をコントロールする力もついてきます。
そう、ヨガは自分に気づいて自分をコントロールする方法。
ポーズや呼吸法を中心として行うヨガの流派を「ハタヨガ」と言います。
しかし、ヨガとは本来、生活スタイルそのもののこと。社会奉仕活動を行う「カルマヨガ」、献身的な信仰を示す「バクティヨガ」等ライフスタイルに関わりを持つものがあり、とても奥深いもの。
世界中の人が4000年も前から慕い続けているのも、そこに深い理由があるからなのです。
ヨガという言葉の本来の意味は、つなぐ、むすぶ、調和やバランス。 現代人としてヨガを取り組むのは、修行のためでもなければ悟りを開くためでもなく、まずは心とカラダを健康に毎日を過ごすため。
私もその入り口に入ったばかりですが、ヨガの4000年の智慧で皆さんと一緒に穏やかなカラダと心の調和をつくる旅を続けていきたいと 願っています。